山川:つるとんたんと言えば、特徴的な大きな器ですよね。定番はもちろん、四季を取り入れた創作うどんなども人気ですが、お店のこだわりなどをお聞かせください。
安冨氏:見た目のインパクトが特徴的な器ですが、食べやすい角度や冷めにくい温度など改良を重ねて、今のオリジナルの器になっています。他店よりうどん1玉が少し多めですが、追加で3玉までうどんの量が無料で選べます。水に関しては特にこだわりがありまして、出汁を取るための水やうどんを作る際に使用する水は、軟水を使っています。出汁は昆布と鰹節を何種類かブレンドしているんですが、水で出汁の出方が全然違います。軟水の方が出汁のうま味を引き出して、うどんもゆであがりのコシやツヤがよく仕上がります。うどんの小麦粉も毎年味が変わるので品質を確認して、水や塩の量、熟成期間などを日々変えて、同じものが提供できるよう努めています。
写真)六本木店の2F楽精庵は、高級旅館のようなしつらえの檜風呂付きのお座敷個室も/六本木の店舗は9/1より場所を変えグランドオープン 東京都港区六本木7-8-6 AXALL ROPPONGI 7F
山川:調味料や食材の情報はどこから得られていますか?粉末や液体、いろいろな調味料がありますが、使うとしたらどのようにお使いになりますか?
安冨氏:調味料や食材は、卸の問屋さんから情報をいただいていますね。気になるものはネットで調べたりもします。粉末は粉末の良さもありますが、液体の方がより馴染むというか、ナチュラルだと思います。どちらもそのまま使うのではなく、例えば味の素さんのいろいろな調味料も他の素材と合わせて、ベースとして少量を加減しながら味を底上げするのに使うのがいいと思います。うま味の深さを素材だけで作り上げるとなると原材料費も高騰していてコストがかかるので、調味料をうまく使って素材と組み合わせることで、うま味が重なっていくといいですよね。
写真)安冨氏は、都内の日本料理店にて約15年経験を積み、つるとんたん六本木店の開業時に入社。つるとんたんの味を統括する総料理長。