山川:お店は創業何年になりますか?またこだわりなどを教えてください。
富所氏:1688年創業の柴沼醤油醸造が手がける料理屋として、2024年にオープンしました。店内では搾りたての生醤油を使って、素材の味を引き立てる料理をお出ししています。醤油は数種類揃えているので、まずは食べ比べていただいて、それぞれの違いや素材との相性、自分の好きな醤油を見つけてもらえたら嬉しいです。メニューには、すき焼きやおばんざいなど、醤油を使った料理を幅広くご用意しています。ランチは近隣の会社員の方が多く、特に女性のお客様がよく来てくださいます。夜は接待や会食で使われることが多く、男性のお客様が中心です。テーブル席、カウンター席、個室と、いろいろなタイプの席をご用意していますので、シーンに合わせてゆったり過ごしていただけると思います。気軽な食事から仲間との集まり、特別な日の会食まで、幅広く使っていただけるお店です。
写真)創業元禄元年の茨城県土浦市にある老舗醤油蔵「柴沼醤油醸造」の直営店。こだわりの醤油に食材、地酒やワインなどを取り揃え、ゆったりとした店内で楽しめる。
山川:食材などの情報はどこから得ていますか?醤油と調味料、だしとの相性や活用の仕方など教えてください。
富所氏:食品の展示会にも行きますし、ネットも見ていますが、メニューのアイデアは、本からが多いですね。本の方が発想の幅が広がるんです。食材に関しては、茨城に醤油蔵があるので、野菜なども茨城県産のものを積極的に使うようにしています。やっぱり、だしも醤油もうま味ですよね。どちらも和食には欠かせないので、両方をバランスよく使うことで、味に深みが出るし、香りもぐっと良くなる。醤油は、だしで割ると塩味がやわらぎますし、逆にだしに醤油を最後に少し加えると、香りがふわっと立つ。その使い分けと加えるタイミングが大事だと思います。普段は、だしを引いているんですが、今日のキャベツとそぼろの料理には、生醤油と『「ほんだし®」かつおだし』を合わせました。顆粒なので炒め物に使いやすくて、ほんの少し加えるだけで香りが広がりますね。
写真)イタリアン出身の料理長・富所氏は、イタリアンから和食まで幅広く経験を積み、江戸から続く老舗醤油の味わいを生かしながら、気軽に楽しめる料理を生み出している。