山川:お店はオープンしてどのくらいになりますか?客層やこだわりなど、お聞かせください。
藤本氏:去年オープンして、今年の6月で1周年を迎えました。駅から少し離れた住宅街なので地元の方が多くいらっしゃいます。都内のホテルや中華料理店で経験を積んできまして、その中でも本場・香港のシェフのもとにいた期間が最も長く、そこが自分のキャリアの核になっています。四川料理にも携わっていたので、その技法も身についています。お店で出している料理は、基本は広東料理、四川料理がベースです。麻婆豆腐や回鍋肉などの定番料理は、それぞれの本来の調理法に沿って作っています。上海料理は上海の作り方で、香港料理は香港の作り方でという感じです。フルーツを料理に取り入れた「大海老のマンゴーマヨソース」は、特に人気メニューです。小皿中華もご用意していますので、お酒と合わせて気軽に楽しんでいただけます。ご予約では、シェフのおすすめコースやオードブルのテイクアウトも承っており、日常使いから特別な場面まで、幅広くご利用いただけたら嬉しいです。
写真)スパイスを効かせた自家製の薬膳酒も揃えていて、テーブル席とカウンター席があり、お一人でもふらっと入れるお店
山川:食材の情報や調味料の使い方などを聞かせてください。
藤本氏:肉や魚、乾物類は、ホテル時代からお付き合いがある業者さんから仕入れています。香港で使われるハムユイという発酵魚がありまして、チャーハンにしたり蒸し物に合わせたりする、強い香りと深いうま味を持つ食材なんですが、日本ではなかなか本場のものが手に入らないんですよ。日本人は、ハムユイのような強い発酵臭には慣れていない方が多いので、今日の料理では、魚醤や「ほんだし®」かつおだしを使ってコク出しをしたり、魚に香味油をかけることで臭みを消し、料理に豊かな香りとツヤを与えています。また、当店のスープは鶏がベースとなるので、料理によっては「味の素 Ⓢ®」を入れ、グルタミン酸で相乗効果をはかって味に深みを出し、さらに香味油でコクを添えています。いつかお店を開きたいと夢みて料理人になり、上京して25年以上たちますが、その時の思いが今でも料理の土台となっています。
写真)都内の名門ホテルや有名中華料理店で経験を積んだオーナーシェフ藤本氏は、中国料理世界大会にも出場した経歴を持つ/発酵唐辛子などの自家製調味料や20年漬けている漢方酒も