病院・高齢者施設向け

第1回「おいしいものを食べる=幸せ」特別養護老人ホーム ひだまりの家やまと

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※記事内容は、2015年5月公開当時のものです。

Point1 大量調理の水分対策、先手を打った「だし」使い!
Point2 メニュー開発の工夫は、「食べやすく」、「もっとおいしく」
Point3 「一人ではやらない」、チームワークの大切さ。

《ひだまりの家やまと》では、特別養護老人ホーム(約80名)の入所の他、デイサービスも約20名、ショートステイ、職員食を含むと、1回の食事は約135食ほどを提供しています。
伺った14時。厨房の奥から「どうぞ~」と元気な声が。「今日は現場に入ったから、髪がボサボサですよ~」と出てこられたのは栄養士の萩原さん。(普段から、こうやって明るく切り盛りされている姿が目に浮かびます。)
こちらの栄養士さんは、現在2名。1年前に来られた萩原さんとこちらで6年目というベテラン栄養士の鈴木さん。「何も特殊な事してないから記事になるかしら?」と持ってきていただいた行事食ファイル。しかも食形態別にしっかり記録されています。彩もきれいです。献立作成、調理の秘訣を探りたいと思います!

写真)行事食は食形態ごとに写真に撮り記録に残しているとの事。見ているだけで楽しくなります!

大量調理の水分対策、先手を打った「だし」使い!

兼業農家が多いエリアで、入居者の方は、米や野菜の味に厳しい方が多いそう。米は玄米で仕入れて施設内で精米するといったこだわり。献立もサイクルメニューは採用せず、10日ずつ新しく作成しているとのこと。(毎日の献立作成、調理、想像しただけで恐ろしい作業量!…いったいどのように工夫されているのでしょう!)
「味の素商品使った日の献立よ~」とご用意いただいた日の献立は中華。炒め物、和え物、中華スープ、それぞれの中華のだしに、この日は「中華味」を使っていただいていました。うん、しっかりとだしが効いていておいしいです。炒め物は時間が経つと野菜から離水して味が薄まったり、べとついたりするが、それもない…。

ーー大量調理で気をつけているポイントを教えてください。
「大量調理は水がでるから、「中華味」や「ほんだし®」 かつおだしなど、だしを入れておくと美味しくなる」
なるほど、ポイントは先手を打った「だし」使い!食材だけでなく、調理にもおいしさの秘訣を発見しました。

写真)だしを変えればメニューが広がると、「ほんだし®」 かつおだし、「味の素KKコンソメ」「中華味」を上手に使いこなしていただいていました。

メニュー開発の工夫は、「食べやすく」、「もっとおいしく」

ーー食べやすさで工夫されていることは?
「最近は、入所者の高齢化が進み、口が開きづらくなってきたから、野菜のカットを小さくしたり、生野菜は茹でにしたりしてます。例えばナポリタン。パスタがかたいとの事で、うどんにして出してみました。柔らかくてスプーンでも食べやすかったようですよ。」(ちなみに職員の食事はパスタで提供。食べる人の事を考えていらっしゃるのが伝わってきます。)

写真)配膳には温冷のカートを使用し、適温で配膳。

ーー調味料の使い方、味付けなど、調理で工夫されていることは?
「麻婆豆腐には人参をフードカッターでみじん切りにしたものを入れて自然な甘味をだしています。人気のあるメニューです。豆腐はスチコンで素焼きしてから使うと、水分が飛ぶし、味がおいしくなりました。回転釜が使えないとき、スチコンで野菜炒めをする際、野菜を素焼きしてから合わせるとおいしくできました。「CookDo®」八宝菜用を使って、他の食材にするとか、いろいろ考えますね。チンジャオロースーの具を変えたり、チリソースはそのままだと辛いので、玉ねぎを入れて、揚げた魚の上にかけると丁度良かったり!和え物、炒め物に「ほんだし® 」かつおだしは3日に1袋は使います。」
(野菜のみじん切で甘味をだすテクニック、これはマネしたいです!)

写真)「CookDo®」を入所者の好みに合わせた食材や味付けで使用いただいていました。

おいしさのポイントあります!

「一人ではやらない」、チームワークの大切さ。

ーーチームワークで何か工夫されていることは?
「入社したてはぶつかる事や上手くいかない事が沢山ありましたが、光子さん(鈴木)のアドバイスで上手くやってこれました。何ごとも一人でしない。各セクションのリーダーに事前に相談する。話を聞く。変えるときは丁寧に説明。『なぜするのか』『何の為にするか?』あと、普段からよく会話することですね。」
(そういえば、会話の多い職場はコミュニケーションがスムーズなので、失敗が少ないと聞いたのを思い出しました。)

ーーさいごに、栄養士をやってて、幸せって?
お2人、声をそろえて「喜んでもらった時!おいしい笑顔!」
「だから毎日食べているのをのぞきに行く。自分が食べておいしくないものは出しません。」
「本当に恵まれた環境で食事提供ができる事が私自身幸せ。これからも日々、おいしさへの挑戦を続けて行きます!」

おいしいもので人を幸せにしたい毎日の生きる力や喜びになって欲しい、そんな思いがひしひしと伝わってきます。本日はありがとうございました!

本日お伺いした施設

※公開当時の情報です。

施設名 社会福祉法人 敬和会 特別養護老人ホーム ひだまりの家やまと
住所 〒309-1244 茨城県桜川大国玉4514-2
規模 特別養護老人ホーム(定員80名)、デイサービス(20名)、ショートステイ(10名)
食数 130食(/昼食時)
運営 直営
職員数 栄養士:3名(1名産休中)、調理師:3名(施設職員は全員で65名ほど)
ホームページ http://www.hidamarinoie-yamato.jp/


食堂

外観

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